無性に苛々する事が多くなった気がする

ダーティ・ワーク (集英社文庫)

ダーティ・ワーク (集英社文庫)

1973年のピンボール (講談社文庫)

1973年のピンボール (講談社文庫)



実に1ヶ月ぶり。色々あった気がするけど、何か何もかも無駄な気がする。
終わって欲しい。無理なら最初から無理って言ってくれ。
俺が何もかも悪いんだろう。いつもそうだから。




普通の小説読んだのが久しぶりだったばっかりに何を思ったのかも忘れてしまったさ。
上は絲山秋子、ふと手に取ってみた一冊。『袋小路の男』しか実は読んだ事なかったけど結構気に入っている作家。
群像劇タイプの小説って言うのかな、特にこうやってあからさまな繋がりじゃないタイプの小説は好き。単純に登場人物同士の感情を交錯させるのがメインのも嫌いじゃないけど、こうやって読み進む内にああここで繋がっているんだって気づく作品は凄く楽しめる。これは多分、打ち切りの多かった作家の漫画に昔の漫画の登場人物が出て来るのと似てるかも、俺だけかも知れないけど。
メインは「熊井」で良いと思う。やっぱり最初と最後を彼女メインで描いている辺り、それは自明だろう。特に印象的なのは、他は全部三人称なのに対して最後が「熊井」の一人称で描かれているって事。それはもう俺が言うまでもないくらい、狙ったものなんだろうけど、そこがまた上手い。
終わり良ければ、って感じもあるけど、俺としては最初の作品を推したい。作品ラストの、「固有なリズム」のくだりは三浦哲郎好きな人だったら分かるかも知れない。なんとなく。


下は村上春樹。『風の歌を聴け』とどちらが良いって訊かれたら少し迷ってしまう。だけど「終わり」めいたものに対する明確さはこちらの方がより際立っている気はする。登場人物もこちらの方がよりキャラが立っている気もする。多分、まあ一つだけ言えるとしたら今後もこの人の作品は読み続けていくだろうって事。
この人の文章を「本当に」分かっているのかって訊かれたら、多分俺は分かっていないんだろうけど。